巡拝にあたって
寺院では、法事や祈祷などの仏事を修法しております。観光気分で訪れ、他の参拝者の迷惑にならないようご注意ください。写真撮影は禁止の指示制限がなければ構いませんが、狭いところでの三脚の利用や、通路以外の場所へ入っての撮影などはお控えください。
寺院は仏様をお祀りしている聖域です。動機がどのようなものであっても、お寺へ訪れることは仏様にお参りをし、仏様とのご縁をいただいているということだけは忘れないで欲しいと思います。
ほかにも、寺院ごとに決められた規則があります。せっかくのお寺参りで、自分の心を汚けがすことのないよう、心がけてご参拝ください。
参拝の作法
標準的なお参りの仕方を紹介いたします。各寺院により異なる点もありますが、基本として心得ておくと、より気持ちよくお参りいただけますので、参考にしください。
-
寺院に着いたら、入山する前に(山門や階段など寺院の入口で)、まずは合掌一礼をしてから入ります。
-
清め場があれば、手を洗い、身を清めます。
-
本堂へ向かい、本尊様に礼らいは拝いします。お賽銭・線香・灯明などを供え、清すがすが々しい気持ちで静かに合掌し礼拝をします。読経をする場合は心静かにお唱えをします。
-
その他の諸堂にもお参りします。
-
お参りがすみましたら、納経所で御朱印をいただきます。御朱印はお参りをしたことを証明する大切な印です。本来はお経などを写したもの(写経)を納め、御朱印を戴くものですので、丁重にお願いして下さい。
-
案内表示があれば案内にしたがって進み、境内や山内を見学します。
-
境内をでて(山門や階段など寺院の入口をでて)、振り返り、もう一度、合掌一礼をします。
御朱印
御朱印はお参りの証としてお授けしております。元来は寺院へ写経(お経を写し書いたもの)を納め祈願した証明として授かるものです。近年では、お参りをするだけで受けられますが、単なる「記念スタンプ」感覚では困ります。御朱印を頂くことは、仏様への純粋な信仰心のあらわれであり、お参りする人の功徳を証明するもの─いわゆるひとつの「修行」なのです。しっかりと手を合わせ、仏様へ感謝の気持ちをもってお参りし、謙虚な気持ちで頂くように心掛けましょう。通常は納経所で受けられますが、本堂内で受けられるところもあります。
受付時間は概ね4月~9月が午前8時より午後5時、10月から3月が午前8時半より午後4時半までです。ただし時間は各寺院によって異なる場合もあり、また留守の場合もございますので、確実を期するのであれば、各霊場寺院にお問い合わせください。
遍路の心得
◆・信心の心を第一とする
◆・修行の心を持って巡拝する
1、殺生をしない
2、異性にたわむれのことばなどかけない
3、飲酒・喫煙など、迷惑をかけない
4、他人ともめごとを起こさない
5、宿では就寝時間を守る
6、食物の養生(注意)をする
◆・携行品
1、納経帳、納め札、賽銭を用意する
2、多額の金銭や高価なものは持ち歩かない
3、薬、保険証をもつ
4、荷物は必要最低限にする
◆・遵守すること
1、交通規則を守る(自転車注意)
2、文化財等の保護につとめる
3、線香・灯明などの火気に気をつける
◆・各寺で定めた規則(参拝時間、立入禁止等)を守る
遍路用具
服装に規定はありませんが、お遍路はお大師様と同行二人(どうぎょうににん)の修行の旅ですので、下図のような白装束姿が理想です。洋服でも結構ですが、派手な服装は控え、笈摺(おいずる)、輪袈裟(わげさ)など、最低限の巡礼用品を揃えることをおすすめします。服装を整える
事でお参りに対する気持ちや、心構えが随分と変わるものです。
袈裟(けさ)
仏様にお参りする時には本来は袈裟を着用します。お遍路では輪袈裟が一般的です。様々な種類が有りますので菩提寺や仏具店などに相談しましょう。
笈摺(白衣)
昔の行者は笈(おい)という箱を背負って巡礼しており、その笈で着物が摺り切れないように身に着けていたことからこの名がついたといわれています。巡礼の証に御朱印をいただき、死後の旅路の際に身に着けると極楽往生できるといわれています。
念珠(ねんじゅ)
数珠ともいいます。袈裟同様、仏さまをお参りする際は必ず持ちましょう。念珠にも様々な種類がありますので菩提寺や仏具店などに相談しましょう。
金剛杖(こんごうづえ)
お大師さまの象徴であり、お大師さまそのものとして道中の精神的な支えとなります。橋の上では杖をつかない慣習があります。
すげ笠
強い日差しや雨をしのぐ役割もありますが、「一笠一杖(いちりゅういちじょう)」のことばのとおり、執着を捨て、お遍路に挑む心構えをあらわすものでもあります。
納経帳・納経軸
御朱印をいただくためのもの。納経帳は1回だけでなく重ね印といい、お参りするたびに2回、3回と同じ納経帳に御朱印をいただけます。